【詩】言い訳

MYWORDS
#essay

某日、
改札機は告げる。
今日までの定期券であると。

その瞬間、
更新しなければ、
行かずに済むのだと、
錯覚する。

止まる理由が、
偶然にも、
与えられたような気がして。

救われたふりをして、
立ち尽くす。

指先に残るICカードの冷たさが、
罪悪感の温度と似ている。
通り抜ける人々の足音が、
心臓の代わりに響いている。

空虚で、空論で、
空すら飛べそうに思えるほどの
空回るような想念を、
今日もまた、
反復してしまう。

私は、行けないのではなく、
行かないという選択を、
言葉の裏に隠しているだけ。

それでも私は、
まだ「行かない理由」を探している。

top