【詩】コンパス
コンパス
正円を描けない
壊れたコンパスのようだ。
いつも軌跡は
曲がり、ねじれ、逸れてゆく。
微かに狂った磁針は
北を拒み、錆びたまま震えている。
地平は霞み、
ただ足跡だけがやけに鮮明だ。
正しさは知らない。
間違いだけが
鋭利に突き立つ。
曲がり角は曲がらず、
長い直道はショートカット、
それでも迷う。
誰に謝ればいいのかも
解らぬ今日。
意味を探すたび
また、曲がる。
曲がった。
そして、ずれた。
僕というコンパスは
針を下ろせぬまま
世界をなぞっている。
未だ、
なぞっている。